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【ホラーゲーム原作】サイレントヒル(2006)あらすじと感想【ネタバレ有り】

2006年公開のホラー映画「サイレントヒル」のレビューをネタバレ有りでご紹介。
おおまかなあらすじから、筆者の感想、良かったところ・悪かったところをわかりやすく解説。
この映画は「ホラー」「クリーチャー」「ゴーストタウン」「ゲームが原作」これらが好きな人におすすめです。


作品情報

2006/07/08公開、126分、カナダ、フランス、ホラー
監督:クリストフ・ガンズ
原作:コナミ製作『サイレントヒル』
キャスト:ラダ・ミッチェル、ショーン・ビーン、ジョデル・フェルランド、ローリー・ホールデン、キム・コーツ、タニヤ・アレン、クリス・ブリットン、エミリー・ラインハン、デボラ・カーラ・アンガー、アリス・クリーグ

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SILENTHILL

あらすじ

ローズ(ラダ・ミッチェル)と夫クリストファー(ショーン・ビーン)は、娘シャロン(ジョデル・フェルランド)の夢遊病に悩んでいた。
シャロンは夜中になると何かに取り憑かれたかのように『サイレントヒル』と呟くのであった。
ローズは『サイレントヒル』という田舎街が実在することをネットで知り、夫に無断でシャロンと二人で現地を訪ねることにする。
しかしその場所は数十年前の火災事故によって大勢の人々が亡くなった忌まわしい場所で、現在は深い霧と灰に覆われたゴーストタウンとなっていた。
サイレントヒルに着いた直後、車が不慮の事故に遭ってしまい、気が付くと助手席からシャロンの姿が消えていた。
ローズは誰も居ない街を彷徨っていく中で、徐々に不可解な現象に巻き込まれ……

レビュースコア(100点満点)

70点/100点

この映画を一言で表すと

サイレンと共に恐怖が始まる。世界観の再現が素晴らしい陰鬱ホラー映画。

映画の感想

KONAMIの大ヒットホラーゲーム『SILENT HILL』を実写映画化した作品。
監督は『ジェヴォーダンの獣』『美女と野獣』のクリストフ・ガンズです。

ゲーム内に出てくるクリーチャーや、その独特な世界観を十分に味わえるので、ホラーが好きな人には是非観てもらいたい作品です。
ただ怖いだけではなく、芸術的なクリーチャー造形も一見の価値ありです。

全体的な雰囲気はジャパニーズホラーに近く、音でビビらせてくるようなシーンは特になかったので心臓が弱い方でも大丈夫です。

雰囲気が最高。謎解き要素はゲームをプレイしている感覚に。

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出典元:映画『サイレントヒル』(2006)

雪のように降り注ぐ灰と濃い霧に覆われたゴーストタウン『サイレントヒル』。
突如鳴り響くサイレンと共に街は鉄錆に包まれ、闇の中から異形の存在が姿を現す。

この文章だけで、ホラー好きならかなりそそられると思います。

本当に雰囲気が最高の映画です。
裏世界に入り込む時の演出(壁がバリバリと剥がれていく)が物凄く不気味だし、出てくるクリーチャーもいちいちツボをついてきます。

原作のゲームで実際にある『謎解き要素』がこの映画の中では『物語が進む上でのヒント』として街中に散りばめられてます。

娘シャロンが描いた不気味な絵が教会のマークだったとわかったときはゾクッとしましたし、母親がバス停を見て現在地を把握したり、館内にある地図を暗記するシーンは実際にゲームをプレイしている感覚になりました。

126分とホラーにしては長めの作品ですが、学校・教会・病院と場面が沢山変わるので最後まで飽きずに楽しむことができます。


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不気味だけど魅力的なクリーチャー(一覧でご紹介)

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出典元:映画『サイレントヒル』(2006)

本作に登場するクリーチャーは、ほぼ全て特殊メイクを施した役者が演じているとのこと(多分、人面ゴキブリ以外)。

どれも原作再現度が素晴らしいのですが、その中でも特に印象に残っているクリーチャーをご紹介致します。


両腕のないクリーチャー
外を徘徊する顔と腕がない人型クリーチャー。
ゆっくりと忍び寄ってきて、中央の裂け目から酸液のような黒い液体を噴射する。
歩き方が独特で、例えるならトイレを我慢しすぎてモジモジしている人(´・ω・`)


エビ反りのクリーチャー
学校内のトイレで登場。男性型クリーチャー。
目と足を有刺鉄線で巻きつけられ、エビ反りのまま地面を這うように移動を行う。
この怪物が手で触れた箇所は次々と腐食していく。
正体はアレッサが通う小学校の清掃職員であるコリン。
アレッサは学校内でコリンから暴行を受けた過去があり、このクリーチャーはそのイメージの具現化と思われる(彼に触れられる=穢れる=腐食化)


レッドピラミッドシング
巨大なピラミッド状の兜を被った男性型クリーチャー。
筋肉質の巨体で、手には巨大な大剣を持っている。
サイレントヒルシリーズの顔と言っていいほど有名なキャラクター。
映画では出番が少ないですが、そのインパクトは凄まじい。
相変わらずイイ身体してますわw


人面ゴキブリ
レッドピラミッドシングと共に登場。
巨大ゴキブリのような昆虫型クリーチャーで集団で行動を行う。
人間のような小さな顔を持ち、踏み潰される直前に強烈な悲鳴を上げる。


バブルヘッドナース
病院内の地下にて登場。
ナースの格好をした顔がない女性型クリーチャー。
ナイフ、メス、バール等を持っており無差別に襲い掛かってくる。
光に反応する特徴があり、暗闇の中では基本静止している。
無駄にスタイルが良い。


泣き続ける赤いカーディガンの女
多分クリーチャーではないのですが、物凄く不気味だったのでここで紹介。
地下奥にある部屋でアレッサを看病している。
ずっと泣いており、主人公のローズが彼女の前に立とうとすると避けるように隠れてしまう。
正体は、アレッサが入院していた病院の看護師。
彼女は全身火傷を負ったアレッサの姿を好奇心から覗いてしまい、恐怖のあまりその場から逃げ出した過去がある。
その時アレッサの憎しみを買ってしまったせいか、両目とも眼を潰されている。
正直一番不気味です……


アレッサ(悪魔ver)
アレッサの復讐心が具現化した悪魔。
見た目は娘のシャロンにそっくりだが、肌は青白く、唇は紫色で生気がない。
裏世界とクリーチャーを生み出した張本人と思われる。


アレッサ(本人)
全身火傷でベッドに拘束されている。
自分を苦しめた者達への怒りと憎しみからクリーチャーへと変貌した。
ベッドから触手のような有刺鉄線が生えており、それに自由自在に操ることが出来る。


文章にしてみると、ちょっと中二病っぽい設定がチラホラありますね……

個人的にはやっぱりレッドピラミッドシング(三角様)が好きです。
巨大な三角兜が強烈で、一度観たら忘れられないビジュアルです。
両腕の筋肉も男前で凄く格好良いと思いますw(でも出会いたくはない)




原作を全く知らない人にはやや説明不足感が否めない

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出典元:映画『サイレントヒル』(2006)

雰囲気重視の人だったら満足できると思いますが、観終わったあとに考察しまくりたい人にとってはちょっと説明不足だと感じました。

  • サイレンの直後に現れる世界は何?(裏世界のこと)
  • 途中で出てきた三角頭の正体は?
  • 最後、自宅に帰ったのに夫と再会できなかったのは何故?

など、色々疑問に残る点が多いかと思います。

これらは原作をある程度把握している人なら「あぁ、そういうことだろうな」となんとなく理解ができるので、そこを投げやりにしている感じが凄く勿体ないなと感じました。

この世界観を気に入って、実際にゲームをプレイしてみようって思ったのなら万々歳ですけど、逆に「意味わからんから好きじゃないわ」となってしまったら凄く残念です……

今の時代だとYouTubeで手軽にゲームのプレイ動画が観れるので、「ゲームをプレイするのはちょっと…」って方は是非プレイ動画や実況動画を参照してほしいです。

個人的にオススメの実況動画を下に貼っておきます。

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▽サクサクプレイが得意なガッチマンさん
囚人が強すぎて怖くないサイレントヒル ダウンプア:01
※YouTubeで安心と安定の127万回再生(2020年02月現在)
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それでは最後にこの映画の良かったところ、悪かったところを箇条書きで記載いたします。

評価まとめ

良かったところ
  • 裏世界に移り変わる演出が不気味
  • クリーチャーの再現度が素晴らしい
  • ED映像が格好良い(ゲームの曲も流れます)
悪かったところ
  • 中盤、展開が遅く退屈に感じる場面がある
  • 雰囲気重視で説明不足な部分がある
  • 今観るとCGがやや胡散臭い


娘を愛する母は強い。
夫が居る世界には帰ることが出来ないという陰鬱な終わり方も個人的には好きです。
『仄暗い水の底から』のような切ない雰囲気がありました。

以上、サイレントヒルのレビューでした。

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